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黒耀:
ぬわわわわ! 強ェ!
俺の『螺旋槍』が届きもしねえ……! |
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銀朱:
しもべたちがおらずとも、人間、それもたったひとりを相手に、敗れる雨露長ではない。 |
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黒耀:
チクショウ……!
他の妖たちが出払ってるって聞いたから、俺ひとりでやれると思ったのによォ……!くそったれ!覚悟ならできてる!殺すなら殺せ! |
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銀朱:
ふ……貴様を殺すのはたやすいが……。この沈蛇湖を、『調停』製の鉄で穢したのだ。死で償えるほど、貴様の罪は軽くない。
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黒耀:
どうするつもりだ!煮るなり焼くなり、好きにしやがれ! |
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銀朱:
実は、ここに、ひとつの包みがある。中に入っているのは……。 |
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黒耀:
ア……『妖ノ宮』じゃねえか! |
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銀朱:
神流河本紀から、「試遊して欲しい」と、なぜか送られてきた物だ。
初めは無視しようとも思っていたのだがな……暇であることも事実。
貴様には、『妖ノ宮』の解説役になってもらおう。 |
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黒耀:
……しょうがねえ。
『煮るなり焼くなり』と言った以上、男に二言はねーぜ! |
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銀朱:
それなりの【結末】を迎えられたら、貴様を解放してやろう。 |
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黒耀:
ところで……どうして他の妖がいねーんだ? |
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銀朱:
湖の妖たちは、森に遊びに行ってしまった。
人間に姿が近い連中など、都へ芸者遊びと来た。 |
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黒耀:
……アンタも大変そうだな。 |
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銀朱:
気にするな。始めるぞ。 |